顧問弁護士とは
顧問弁護士(顧問契約)とは、企業、事業主にとって、法律の「かかりつけ医」のような存在です。
顧問弁護士サービスを利用するには、まず、弁護士と顧問契約書を結んで、月々の法律顧問料を払うことになります。
顧問契約を結んだ弁護士は、日常的な法律相談、契約書のチェック、ちょっとした苦情への対応などの法的サービスを提供します。
トラブルが発生して、相手方との訴訟や交渉が必要となった場合には、即座に顧問弁護士が対応します。この場合、顧問料とは別に弁護士費用がかかりますが、通常の場合より減額できる場合があります。
顧問契約のメリット
- 急なトラブルにも即座に対応してもらえる。
≪具体例 1≫
A社は、問題の多い従業員Y子さん(仮称)を解雇しました。
すると、ある日突然、ユニオン(労働組合)の人から電話がかかってきました。
ユニオンの人が言うには、「お宅で雇っていた、Y子(仮称)さんの解雇は不当だ。団体交渉を求める!」ということです。
労働組合が団体交渉を申し入れてきた場合、雇用主は適切に対応する法的義務があります。対応が悪いと訴訟に発展したりする恐れがあります。
顧問弁護士がいれば、直ちに会社に駆けつけ、ユニオン(労働組合)との団体交渉(話し合い)に立ち会い、対応してくれます。
≪具体例 2≫
ある日、A社の社長の下に、取引先B社の代理人を名乗る弁護士から突然の手紙がとどきました。手紙には、こう書いてありました。
「B社は、破産します。買掛金のお支払いができません。個別の取立は禁止されています。」
B社代理人弁護士の言っていることは、間違いではありません
通常破産の場合、他の債権者に先んじての回収はできません。破産管財人が債権額に応じた平等な配当を行いますので、それを待たないといけません。しかも、配当率は多くの場合、わずかです。
ところが、B社は卸会社で、A社が納入した商品をCデパートに売っており、その代金は未回収だったとします。
こんな時、他の債権者に先んじて、売掛金を回収できる方法があります。
動産売買の先取特権というというものです。
B社のCデパートに対する債権を差し押さえて、優先的に債権を回収できます。しかし、このような手続きには緊急性を要します。
こんな時、顧問弁護士がいれば、多額の債権の回収に成功する場合もあります。
- 事前のトラブル回避ができる。
- 先の解雇後のユニオンからの団体交渉申し入れの事例では、事前に、問題になりにくい解雇の方法のアドバイスを受けたり、就業規則の内容をチェックしてもらったりできます。
- 債権回収の事案では、事前に基本契約書をチェックして、少しでも回収しやすい条項を入れ、取引に入る前に担保提供を求めるなどのアドバイスを受けられます。
- 会社や業界の実情を知っている弁護士に相談できる。
- 顧問契約をした場合、会社の実情、業界の実情がわかっているので、弁護士に一から説明しなくていいのです。実情を知っている人に相談するのと、知らない人に相談するのでは、相談者にかかるストレスが全く違います。
- メールや電話で弁護士に相談できる。
- 急なトラブルに巻き込まれたり、法的な懸念点がある際には、必ず対面で相談しなければいけないというケースばかりではありません。弁護士にメールや電話で気軽に相談できる場合も多いです。そのことで、自社では気づけない重要な問題点について早く指摘を受けられたり、予期せぬトラブルが発生しても早期の初動対応から早期解決の実現が期待できるなどのメリットがあります。
- 具体的に事件を受けた場合の弁護士費用の減額
- 顧問契約の内容や普段の相談状況により、具体的事件の弁護士費用を減額できる場合があります。
- グループ会社の相談も可能
-
顧問契約の内容によっては、グループ会社の法律相談を含めた顧問契約も可能です。
また、グループ会社の法律相談を含めた顧問契約でなくても、別途グループ会社の法律相談、事件の受任が可能です(その場合は別途費用がかかります)。
- 従業員の方の法律相談、事件受任も可能なので福利厚生になる。
-
相談や事案の内容によりますが、従業員の方のお困りごとの法律相談、事件受任も可能です。
(その場合、従業員の方に別途費用負担が発生します)。
顧問弁護士と弁護士の違い
顧問弁護士の業務内容は、一般の弁護士と変わりありません。法律に関する相談、契約書のリーガルチェック・作成、その他の企業の運営に関わる法律問題をオールラウンドに対応してもらうことができます。顧問弁護士の料金は、月単位または年単位で定額で支払うことが通常です。
顧問弁護士 | 弁護士 | |
---|---|---|
サービス内容 | 日常的な法律サポートを提供 | 特定の事件や問題を解決 |
関係の持続性 | 長期的なパートナーシップを築く | 特定の事件や問題に対してのみ関与することが一般的 |
契約形態 | 継続的な契約 | 弁護士は事件単位の契約が一般的 |
主な取り扱い業務
顧問弁護士サービスは、企業の法律問題や不安を解決し、事業や関係者を保護することを目的としています。
顧問弁護士の主な役割は、以下のとおりです。
- 法律相談や契約書のチェックなど、日常的な法律サポート
- 社内規定の整備や労務管理の改善などへの取り組み
- トラブルの予兆がある際の解決方法の助言 など
- 契約書作成・リーガルチェック
- 雇用契約書 / 取引基本契約書 / 売買契約書 / 秘密保持契約書 など
- 企業法務全般
- 株主総会・コンプライアンス指導 / デュ―デリジェンス など
- 労務に関するトラブル
- 解雇(普通解雇と懲戒解雇) / 雇用契約書 / 就業規則 / 労働審判 / セクハラ・パワハラ / 未払い給与・残業代 / 労働災害 など
- 与信管理
- 与信管理からみた契約内容、取引相手の選別、契約書
- 債権回収
- 売掛金 、工事代金、売買代金、制作費、開発費などの未払い / 家賃滞納 / 訴訟提起 / 差し押さえなど
- 不動産
- 不動産売買・賃貸 / 明け渡し / 境界・近隣関係 / 地下埋設物 など
- 税務
- 税務調査の立会い など
- 合弁事業
- LLP(有限責任事業組合) / 株式会社 / 合同会社の設立
3つの顧問契約プラン
朝雲法律事務所では、顧問契約について、さまざまな業種の企業様や事業主様に向けて、会社の規模やご相談の頻度に合わせて、3つの顧問契約プランをご用意しております。
以下、当法律事務所の、3つの顧問弁護士サービスプランについて、ご紹介します。
3つの顧問契約プランの内容以外でも、内容によって柔軟に対応いたします。
(月額 / 税込)
具体的な事案を受任した場合の着手金の値下げ
通常はあまり法律相談がなくても、具体的なトラブルが発生した場合に早急な対応が可能となります。
以下のサービスが2か月に1回程度
- 文献、判例調査が必要な難解な法律相談
- 口頭のみでは回答が困難で意見書作成を要する法律相談
- 契約書等の作成、添削
以下のサービスが月に1回程度
- 文献、判例調査が必要な難解な法律相談
- 口頭のみでは回答が困難で意見書作成を要する法律相談
- 契約書等の作成、添削