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相続・遺言/相続分の譲渡

【質問】相続分の譲渡とはなんですか?

【回答】
  1. 相続分の譲渡とは
    相続人の一人が、他の相続人に対し、自分の相続分の全部または一部を譲渡することです。例えば、相続分がそれぞれ同じである相続人A,B,Cがいた場合、CがAに対し、自己の相続分を全部譲渡することができます。この場合、Aの相続分は3分の2、Bの相続分は3分の1、Cの相続分はゼロになります。
  2. どんな場合に相続分譲渡されるか
    1. 早くお金が必要な場合
      遺産分割は,成立するまでに結構な時間がかかりますが,その間に金融を得る目的で相続分の譲渡をする場合があります。Cが自分の相続分をAに有償で譲渡し、代わりにAからお金をもらいます。そうすると、Cはその後、遺産をもらうことはできませんが、遺産分割が成立する前に、早目に遺産のうちの自分の取り分をお金に換えることができたことになります。
    2. 法定相続分とは違った遺産分割に一部の相続人が反対している場合
      例えば,共同相続人がA,B,Cの3人いて,Cは遺産を欲しておらず、Aにすべて譲ってもよいと考えているが,Bが反対している場合,CからAに相続分の譲渡をすれば,Bの反対とは無関係に,目的を達成できます。
  3. 相続分の譲渡と相続放棄との違い
    共同相続人がA,B,Cの3人いて,Cは遺産を欲しておらず、Aにすべて譲ってもよいと考えている場合、Cが相続放棄をすると、Aの相続分は2分の1、Bの相続分も2分の1となります。
    一方、CがAに相続分を譲渡した場合は、Aの相続分は3分の2、Bの相続分は3分の1のまま、になります。
  4. 相続分の譲渡と審判
    遺産分割調停においては,法定相続分と異なる分割をすることも可能で,一部の相続人のみが遺産を取得し,他の相続人が遺産を全く取得しないという分割も有効です。しかし、審判は,家庭裁判所がその裁量によって相続分を増減することは許されないとされています(最高裁昭和36年9月6日)。
    そこで、相続分の譲渡をしておけば、審判においても、相続分の譲渡により変更された相続分に沿った内容の審判がされることになります。
  5. 相続分の一部譲渡の可否
    共同相続人がA,B,Cの3人いて,Cは遺産をすべてほしいとは思っておらず、Aに一部(例えば、本来もらえる遺産の2分の1)を譲ってもよいと考えている場合、Cは自分の相続分の2分の1をAに譲ることができるか、については争いがあります。これができるとなると、Aの相続分は6分の3、Bの相続分は6分の2、cの相続分は6分の1となります。
    この点、できるという考えが有力で、例えば東京高裁平成17年11月10日判決も認めています。
  6. 相続分の譲渡と債務
    相続分の譲渡は、プラス財産も、借金のようなマイナス財産もまとめて譲渡されたことになります。
    一方、相続人は、法定相続分に従って、債務を引き継ぎます。共同相続人がA,B,Cの3人いて,それぞれ法定相続分が3分の1の場合、亡くなられた方が300万円の借金を負っていれば、A,B,Cが100万円ずつ借金を負うことになります。
    ここで、Cが相続分をすべてAに譲渡した場合、借金も相続の対象ですから、Aは借金を200万引き継ぐことになります。
    他方、Cは借金を負わなくなるかというと、そうではありません。借金の場合は、いくら相続人間で話し合いをしても、債権者は、その話し合いの結果を無視してよいことになっています。従って、Cは相変わらず、100万円の債務を負ったままです。債権者は、300万円のうち200万円をAに請求しながら、他方でBとCに100万円を請求し、回収しやすい方から回収してよいことになります。
    ただし、話し合いの結果は、AとCとの間では有効に成立しているので、仮にCが100万円の借金を債権者に返した場合、Cは、Aに100万円を払うように請求することができます。
  7. 相続分の譲渡と遺産分割調停からの脱退
    共同相続人がA,B,Cの3人いて,Cは遺産を欲しておらず、Aにすべて譲ってもよいと考えているが、Bが反対している場合、当事者の協議だけでは分割がまとまらないので、遺産分割調停を起こすことになります。
    しかし、Cは、遺産は全くいらないと考えているので、調停に参加する意義があまりありません。
    そこで、Cは遺産分割調停に際して、Aに相続分を譲渡して、遺産分割調停の当事者から外れることができます。脱退手続と言います。
    脱退手続のやり方は、裁判所によって多少違いがあるようです。
    調停の申立当初から、CからAに対する相続分譲渡証書と印鑑証明書を提出し、最初からCを調停の相手方に入れないという方法もあるようですが、多くの裁判所は、相続人の意思の確認をするために、まずは相続人全員を相手に含めたうえで、個別に書面等で意向を確認し、CがAに相続分の全部を譲渡する意思を有していることを確認できれば、そこで初めて調停の相手方から外すということをすることが多いようです。





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