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法人・会社の借金問題/特別清算

特別清算とは

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「解散と清算」のページで書いたとおり、会社を閉じて財産関係を清算するには、株主総会で解散決議をしたうえで会社が自分で清算手続をとる場合と、破産の申立をして、裁判所や管財人により清算する場合があります。通常債務超過ではない(債務より財産の方が多い)場合は、解散決議をして清算手続きをし、債務超過(債務の方が財産より多い)場合は、破産の申立をします。
 しかし、まれに、債務超過の場合でも、会社が解散の決議をしたうえで、清算手続をする場合があります。この場合の清算手続を「特別清算」といいます。通常の清算手続と違い、債務の方が多いので、特別な手続きにのっとって行われます。

特別清算とは債権者の同意あっての手続き

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特別清算は、破産のような強制的な手続きではなく、配当案は「協定案」といい、協定債権の総額の3分の2以上の債権額の賛成、協定債権者の過半数の人数の賛成がないと通らず、通らないと、破産になる場合もあります。
 よって、債権者の同意あっての手続きです。
 東京地裁では、申立書に、協定債権額の3分の2以上の債権者の同意を得た書類(協定案への同意でなく、特別清算することの同意)を添付しないと、開始決定してくれないそうです。

特別清算のときに会社がしなければいけないこと

また、この手続きは、破産に比べて、手続きを取る時の労力が重いです(破産は、予納金などの費用負担が重い代わりに、裁判所や管財人により清算がおこなわれるので、労力はより軽くて済みますが、特別清算は、破産より費用負担は軽い代わりに、手続きにかかる労力は重いです。)。
 @ まず、株主総会を開いて、解散の決議をして、官報公告します。この時点で、会社法上の清算手続は始まります。
 A 株主総会で清算人を選びます(選任しないと、取締役が法律により清算人に就任。)
 B 清算人に特別清算申立権があります(というより、債務超過の恐れがあるときは、清算人に特別清算申立義務がある。)よって、弁護士に依頼した場合は、清算人の代理人として特別清算を申し立てます(自己破産のように法人の代理人ではありません。)。弁護士の代理権は、特別清算申し立てだけであり、清算手続をとるのは、清算人です。
 C 申立後、財産目録も自分で作って出します。
 D 財産目録は株主総会の承認が必要です。
 E 債権届出の通知と債権届出の官報公告も自分でします。
 F 破産でいう財団債権、一般優先債権の支払いをすることは可能だが、自分で判断しないといけません。
 G 協定案も自分で作ります。
 H 協定債権額の3分の2以上、協定債権者の過半数の同意を得ないといけません。
 I 配当も自分でします。
 つまり、破産であれば、管財人がすることを自分でするのでかなり面倒くさいのです。

特別清算の使い時

 特別清算が向いている事案として、以下のような事例が考えられます

1 代表者貸付を除くと黒字の場合。

  代表者貸付をしてやっと成り立っている会社なので、赤字経営だが、代表者貸付を除くと債務超過ではない場合です。
  この場合、会社はつぶしたい(経営を続けると、代表者の資産がどんどん失われる)が、代表者に配当しないという前提だと、満額配当できます。しかし、破産をすると、管財費用がかかり、下手をすると、管財費用のおかげで満額配当にならないかもしれない。この場合、一般債権者の同意を事前にとっておけば、破産より早く手続きができるし、管財費用も払わなくてよい。一般債権者は満額配当なので、協定案に反対することもないでしょう。
  例えば、会社オーナーが亡くなって、相続税の申告をしたい場合です。会社は、オーナーの貸付を入れると赤字なので、特別清算をして、他の債権者に配当した残りをオーナーの相続人に配当する形にして、相続財産をはっきりさせ、相続税の申告をしたい場合に、特別清算することがあります。

2 親会社の貸し付けを除くと黒字の子会社

  上記と同じ理由で、特別清算しやすい事案です。
  この場合も税務対策として行われることがあります。
  破産と同じで、税法上、特別清算開始決定時に債権の半分が貸倒処理でき、手続き終了時に残りの貸倒処理ができます。例えば、今期中に債権全額を損失計上して税金を安くしたいので(例えば、今期黒字なので、税金を減らしたい。損失は、翌期以降に繰り越しはできるが、前期にさかのぼることはできないので、今期黒字の場合は、どうしても、損失を今期のうちに出しておきたい。)場合、破産手続で長々されて、今期中に破産処理できずに税金が増えるのは困るので、特別清算で手続きを急ぐ場合などです。

特別清算の文献

 ・特別清算の理論・実務と書式(民事法研究会)
 ・入門新特別清算手続(ぎょうせい、東京弁護士会編)
 ・逐条解説新しい特別清算(商事法務、法務省民事局参事官編)
 ・倒産手続選択ハンドブック
  ※いずれも、H18年5月1日会社法施行後の文献


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